合同会社AHA TOKYO

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展示会当日のブース動画はどう使う?流しっぱなしで終わらせない運用方法

公開日:2026年10月28日文:合同会社AHA TOKYO 代表 水元和夫

展示会のために動画を用意したものの、当日は画面で再生しておくだけになり、説明員の会話とは別々に動いていた。そんな形で会期を終えてしまうことがあります。

この記事は、ブースで動画を流す予定の製造業・BtoB企業の担当者の方に向けて、会期当日の使い方をまとめたものです。動画の作り方ではなく、できあがった動画をブースでどう置き、どう話し、どう備えるかに絞っています。結論は、動画を「説明員が話を始めるための道具」として配置と段取りを決めておくことです。

まず結論:動画は説明員の「相棒」として置く

私たちは、ブースの動画は単独で来場者を呼び込むものではなく、説明員が会話を始め、説明を続けるための道具だと考えています。

流しっぱなしの動画は、通りがかった人の目を引くことはあっても、その後の説明や名刺交換につなげるには、説明員が動画を会話に取り入れられる状態にしておくことが大切です。動画のどの場面を指して、どんな一言で話しかけるのか。画面をどこに置けば、説明員が指さしながら話せるのか。そこまで決めておくと、動画が当日の会話に組み込まれます。

なぜ「流しっぱなし」になりやすいのか

当日の運用まで手が回らない理由は、主に次のようなものです。

  • 動画の完成が会期直前になり、説明員が中身を見ないまま当日を迎える
  • 画面の位置が装飾の都合で決まり、説明員の立ち位置から見えない

たとえば、精密部品の加工会社が加工中の拡大映像を流していても、説明員がその場面を知らなければ「いま映っているこの穴が、当社の得意な加工です」とは言えません。動画の中身を説明員が把握しているかどうかで、使い方が変わります。

画面の位置と高さを決める

画面の置き方は、通路から見えることと、説明員が指させることの両方を満たすように考えます。

  • **通路から見える高さ:来場者がブースの前に立ち止まると、手前の人で画面の一部が隠れることがあります。通路から見たときに隠れにくい高さを検討し、テロップが下端に寄りすぎていないかを確認します。
  • 通路に向ける角度:人が流れてくる方向から見えるよう、画面を少し通路側に振ると、遠くからでも目に入りやすくなります。
  • **説明員の立ち位置との関係:説明員が画面の横に立ち、来場者と同じ方向を見ながら指させる位置にすると、動画を説明に取り入れやすくなります。カウンターの奥に画面があると、説明員は振り返って話すことになります。

画面の高さや設置方法には、展示会ごとに装飾の規定があります。高さ制限や壁面の使い方は、主催者の出展マニュアルで確認してください。

ループと音量の設定

再生の設定は、可能であれば会場で使う機材、難しい場合はそれに近い環境で会期前に確かめておきます。

  • ループ再生:自動で繰り返し再生されるか、再生の切れ目で再生バーやファイル名、メニューが表示されないかを確認します。
  • スリープと省電力:再生機器やパソコンが一定時間で画面を暗くしたり、更新の通知を出したりしないよう設定します。
  • 電源を入れ直したとき:朝の電源投入や停電のあと、操作なしで再生が始まるかを確かめておくと、開場直前に慌てずに済みます。
  • 音量:展示会場では周りの音で聞こえにくく、隣のブースへの配慮も必要です。音に関する規定も出展マニュアルで確認し、音を消しても意味が通ることを前提に運用します。

説明員が動画を指して話す

動画を会話に組み込むには、説明員の間で次の3つをそろえておきます。

  • 指すポイントを2〜3か所決める:「拡大した加工部分」「測定結果の画面」など、話の入口になる場面を決め、それが動画の何秒あたりに出てくるかをメモにして共有します。
  • 最初の一言を決める:「いま映っているこの部品、何に使われるかご存じですか」のように、画面を指しながら言える問いかけを用意します。
  • **止めて見せる手段を用意する:ループ再生とは別に、手元のタブレットやノートパソコンにも同じ動画を入れておくと、関心を持った方に該当の場面を止めて見せられます。

QRコードは画面の近くに置く

動画の最後にQRコードを入れていても、ループ再生では表示される時間が短く、読み取ろうとしたときには次の場面に変わっていることがあります。

  • 画面の横や下に、常に読み取れるQRコードをパネルや卓上スタンドで置く
  • QRコードの近くに「動画の続きと詳しい仕様はこちら」のように、開くと何が見られるかを一言添える
  • 当日、来場者が立つ位置から実際にスマートフォンで読み取れるかを確かめる

QRコードの行き先は、ブースで見た動画と同じ内容から始まる紹介ページ(LP)にしておくと、あとで社内に共有してもらうときにも話がつながります。

トラブルに備えた予備

再生のトラブルは、会期中に起きると対応する時間がとりにくいものです。次のような予備を用意しておきます。

  • 動画ファイルを入れたUSBメモリと、予備の再生機器(ノートパソコンやタブレット)
  • 画面と再生機器をつなぐケーブル、変換アダプター、電源タップ
  • 会場のネット回線に頼らず再生できる状態(動画はオンラインではなく本体に保存)
  • 動画が止まった場合でも説明できる、印刷した資料や主要な場面の静止画パネル

当日の動き方の例

精密部品の加工会社を例に、来場者の様子に合わせた動画と説明員の動きを整理しました(内容は説明のための例です)。

来場者の様子動画・画面説明員の動き
通路から画面を見ている大きな画面でループ再生目が合ったら、画面を指して最初の一言をかける
足を止めて見ているループのまま拡大映像の場面に合わせて、加工の特徴をひとこと説明する
詳しく聞きたそうにしている手元のタブレットで該当場面を止める測定結果の画面を見せながら、仕様や対応範囲を説明する
名刺交換をした画面横のQRコード「動画と詳しい仕様はこちらで見られます」と案内し、名刺にメモを残す

よくある失敗

  • 画面が説明員の背中側にある:説明員が振り返らないと画面を指せず、会話と動画が別々になります。
  • 当日まで説明員が動画を見ていない:どの場面に何が映るかが分からず、動画を話のきっかけにできません。

動画そのものの組み立て方は展示会動画の作り方で、当日を含む準備全体の流れは展示会の準備チェックリストで紹介しています。

まとめ

ブースの動画を当日に生かすには、次の段取りを会期前に決めておきます。

  • 画面は、通路から見え、説明員が指させる位置と高さに置く
  • 説明員が指す場面と最初の一言をそろえ、手元で止めて見せられるようにする
  • ループ設定とQRコードの置き場所を確かめ、予備の再生手段を用意する

この記事を書いた人

水元 和夫(合同会社AHA TOKYO 代表)

八王子を拠点に、多摩地域の中小企業のAI導入・展示会準備を支援しています。