展示会が終わると、手元に名刺の束が残ります。全員に同じお礼メールを送ったものの、その後どの相手に、どんな連絡を続ければよいか迷った経験をお持ちの方もいるかもしれません。
この記事は、製造業・BtoB企業で展示会後のフォローを担当する方に向けて、名刺交換した相手に、何を、いつ、どう送り分けるかをまとめたものです。結論は、当日の会話の内容ごとに送るものを変え、メールは短く、詳しい内容は動画・紹介ページ・資料に任せることです。
まず結論:メールは短く、中身は「添えるもの」で伝える
私たちは、展示会後のお礼メールは本文で詳しく説明しすぎず、ブースでの会話にひとこと触れ、相手に合ったものを1つか2つ添える形が使いやすいと考えています。
会期直後は、相手も通常業務に戻り、メールをじっくり読む時間を取りにくいことがあります。本文で技術を説明しきろうとすると、読む負担が大きくなります。メールは「あのブースの会社だ」と思い出してもらう役割に絞り、詳しい内容は動画や紹介ページ(LP)、営業資料で見てもらう形にします。
なぜ展示会後のフォローは止まりやすいのか
展示会後のフォローが進みにくくなる理由には、次のようなものがあります。
- 会期が終わると通常業務に戻り、フォローの時間がとれない
- 当日のメモが少なく、誰と何を話したかを思い出せない
- 全員に同じ文面と同じ資料を送り、相手ごとの違いが出せない
たとえば、精密部品の加工会社のブースで、ある来場者は「試作の見積もりがほしい」と話し、別の来場者は「情報収集で寄った」と話していたとします(内容は説明のための例です)。この2人に同じメールを送ると、前者には物足りず、後者には売り込みが強すぎる内容になりがちです。
メール・動画・紹介ページ・資料の役割
展示会後に送るものは、それぞれ役割が違います。
| 送るもの | 役割 | 向いている使い方 |
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| お礼メール | ブースで会ったことを思い出してもらい、次の一歩を提案する | 全員に送る。本文は短く |
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| 動画のリンク | ブースで見た映像を見返してもらう。社内の人にも見せやすい | 立ち話だけで終わった方、見せたい相手が社内にいそうな方 |
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| 紹介ページ(LP) | 仕様や事例など、ブースで話しきれなかった内容を補う | 関心はあるが、まだ具体的な案件がない方 |
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| 営業資料(PDF) | 社内で検討・回覧するための材料にする | 具体的な案件や、見積もりの話が出た方 |
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動画は、ファイルを添付するより、紹介ページや動画のページへのリンクで案内するほうが、メールの容量を気にせずに済みます。
当日の会話に合わせた送り分け
当日のメモをもとに、相手を3つ程度に分けて送るものを変えます(分け方は一例です)。
| 当日の会話 | 当日の様子の例 | 送るもの | 次の一歩の提案 |
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| 具体的な相談あり | 具体的な案件や図面の話が出た、見積もりを頼まれた | お礼メール+営業資料+約束した資料 | オンライン面談や訪問の日程を候補日つきで提案 |
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| 関心あり | 技術に関心を示した、社内で検討したいと話していた | お礼メール+紹介ページのリンク+動画のリンク | 「資料が必要でしたらお送りします」と軽く添える |
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| 情報交換 | 立ち寄って説明を聞いた、名刺交換のみ | お礼メール+紹介ページのリンク | 提案はせず、今後の情報提供の可否をうかがう程度に |
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具体的な相談があった相手には個別にメールを書き、それ以外は文面のひな形を使いながら当日の話題を一行加える、といった分け方をすると、対応を整理しやすくなります。
送るタイミングの考え方
送るタイミングに決まった正解はありませんが、相手の記憶と自社のメモが新しいうちに送るほうが、当日の会話に触れた文面を書きやすくなります。
- 会期前に準備しておく:文面のひな形、添える資料、リンク先を会期前に決めておくと、会期中や終了直後から送り始められます。
- 送る順番を決める:具体的な相談があった相手から順に送ります。会期が長い展示会では、会期中に送り始める方法もあります。
- 2回目の連絡の時期も決めておく:返信がない場合に、いつ、何を添えて連絡するかをあらかじめ決めておくと、フォローが途切れにくくなります。
お礼メールの文例
関心を示した相手に送る場合の文例です(内容は説明のための例です。社名・展示会名などは置き換えてお使いください)。
| 項目 | 文例 |
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| 件名 | 【○○展】ブースへのお立ち寄りのお礼(株式会社○○) |
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| 書き出し | ○○株式会社 ○○様 先日は○○展の当社ブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。株式会社○○の○○です。 |
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| 当日の話題 | ブースでは、樹脂部品の寸法検査を自動化したいというお話をうかがいました。 |
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| 添えるもの | ブースで流していた動画と、検査の流れをまとめたページをお送りします。社内でのご検討にもお使いください。(リンク) |
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| 次の一歩 | 詳しい資料が必要な場合や、実際の部品での検討をご希望の場合は、このメールにご返信いただければ対応いたします。 |
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| 結び | 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(署名) |
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「業界最高水準」のような強い言葉や、相手が求めていない長い技術説明は入れず、当日の話題と次の一歩がひと目で分かる文面にします。
よくある失敗
- 全員に同じ文面を送る:当日の会話に触れていないと、ほかの会社のメールと見分けがつきにくくなります。
- 大きな添付ファイルを送る:相手の環境によっては届かない、開けないことがあります。
- **具体的な相談がない相手に連絡を重ねる:検討の時期ではない相手には、頻繁な営業連絡を避け、必要に応じて情報を案内する程度にします。
- 送ったあとの記録がない:誰に何を送り、返信があったかを残しておかないと、2回目の連絡ができません。
名刺交換後に送る営業資料の構成は展示会の営業資料はどう作る?で、終了後を含む準備全体の流れは展示会の準備チェックリストで紹介しています。
まとめ
展示会後のフォローは、次のように考えると送り分けやすくなります。
- メールは短くし、詳しい内容は動画・紹介ページ・営業資料に任せる
- 当日のメモをもとに相手を分け、送るものと次の一歩の提案を変える
- 文面のひな形と添えるものは会期前に準備し、記憶が新しいうちに送る
- 送った内容と返信を記録し、2回目の連絡の時期も決めておく
この記事を書いた人
水元 和夫(合同会社AHA TOKYO 代表)
八王子を拠点に、多摩地域の中小企業のAI導入・展示会準備を支援しています。